東京義賊ブログ

息を抜くところをつくろう

技や構成を見せるために、音楽をかけたり、動きを決めたり、衣装を着たり。

色々な準備をして『さぁやるぞ!見せるぞ!』って感じでショーを始めていくと思うんだけど、ひとつひとつの技や所作を成功させるとかっこいいよね。

でもね、成功って続くと息が詰まるんだよ。

すごい技を演る人だったら、逆に『すごい!』以外の感想をどこで持てばいいの?

きれいな演技を演る人だったら、逆に『きれい!』以外の感想をどこで持てばいいの?

ショーの後半はみんなが僕のことを大好きになっていて、そこで初めてメインとなるパフォーマンスを見せて『僕はこういう人です』ってことになるんだけど、そこに至るまでにあえて息を抜くところをつくろう。

お客さんが息を抜いてリラックスした状態で、パフォーマーを見て、パフォーマーを好きになって、メインパフォーマンスに入るという流れが理想。そうじゃなきゃ見せているとは言えない。

見せている見てもらっているは大きな違い。

意図的に見せているのか、仕方なく見てもらっているのか。

意図的に見せるっていうのは、お客さんが能動的に見てしまう状況をつくるってこと。

あちゃー わちゃー ぱんだー

わかりやすい息の抜き方としては、パフォーマーとしてショー中に失敗すること。

例えば技がうまくいかないとか、とっ散らかってるとか、緊張して噛んじゃうとか。

でもね、それは全てワザとであると同時に、絶対にバレないワザとでないといけない。これは難しいけどやればそのうち出来るようになる。

で、息を抜くところをちょいちょい設けてあげると、自然とお客さんがリラックスして、いい感じの距離感になってくる。

そう、実はそれから見せたいところを見せる。

お客さんが感じることはとっても人間的。

そして僕らパフォーマーも人間だから、その心理は想像がつくので、それを利用して惹き込むことが大切。その方法のひとつとして忘れないで欲しいのが息を抜くところをつくるってこと。

ショーは一方的に見せるものではなくて、お客さんと空間を共有して、その場での感情をコントロールして、一緒に作り上げるもの。

技や演技を押し付けず、自分のルーティーンに捕らわれず、序盤は息を抜きながら徐々に共鳴していくようにしよう!

限られた時間の中で不特定多数の他人を巻き込んでいくことは本当に大変だけど、出来た時にはショーに最高の一体感が生まれるよ!