ショーを続けていくと、先輩のネタやテレビのネタ、もちろん自分で考えたネタも含めて、面白いネタを思いつくことがある。
前にショーでやったら受けたネタとか。
一生懸命考えたネタとか。
で、それを人前でやるのはいいんだけどね。
やり方の問題。
面白いことを言うと、お客さんがウケるということになると思うんだけど、それを期待するあまり、お客さんがウケる前提で言っちゃう。
そうすると、そのネタが持っている本来の威力が出ないし、面白いことを言おうとして面白いことを言うという結果にしかならない。
面白いことを言おうとして、面白いことを言うって事は、もう既に顔に「おもしろいこと言います!」って書いてあるのよ。
考え、想い、予備動作から結果が推測できちゃう。
例えば
1.椅子に座ろうとして、椅子に座る人。
2.Suicaをタッチしようとして、Suicaをタッチする人。
3.見えない壁にぶつかるパントマイムをやろうとして、
見えない壁にぶつかるパントマイムをやる人。
これって、全然おもしろくないでしょ?
例に出した
1.椅子に座ろうとして、椅子に座る人。
2.Suicaをタッチしようとして、Suicaをタッチする人。
3.見えない壁にぶつかるパントマイムをやろうとして、
見えない壁にぶつかるパントマイムをやる人。
であれば、前半は考え、想い、予備動作。
後半は結果としてやること、やったことになるので、前半が間違いなの。
1.クラウチングスタートの姿勢からスタートの合図とともに椅子に座る人。
2.友達にハイタッチしようとして、Suicaをタッチする人。
3.慌ててトイレに行こうとしてズボンをおろす準備をしてたら見えない壁にぶつかる人。
といった具合に、(これが面白いネタかどうかはおいておいて)予備動作がないから笑いが降ってきて面白い。
想いや思考が顔や態度、予備動作に出ちゃうので、くれぐれも「おもしろことをやるよ!」と思ってやっちゃだめ。ばれちゃうから。
1.クラウチングスタートの姿勢からスタートの合図ととともに椅子に座るという面白いことをやろうとして、クラウチングスタートの姿勢からスタートの合図とともに椅子に座る人。
2.友達にハイタッチしようとして、Suicaをタッチしたら面白いだろ?って考えながら友達にハイタッチしようとしてSuicaをタッチして、「ドヤァァァ」って顔をしてしまう人。
3.慌ててトイレに行こうとしてスボンおろす準備をしている時点でも既に面白いのに、そこから見えない壁にぶつかるなんて超面白いじゃん!って考えが顔に出ちゃっているのに、本人は絶対ウケる!なんて思いながら、慌ててトイレに行こうとしてズボンをおろす準備をしていたら見えない壁にぶつかるパントマイムを必死にやっている人。
もう、赤面だよね。はたからみて。
おもしろいんだよ。やっていることは。
でも、それ、滑稽なんだよね。うまくやればもっと面白いかも知れないのに、やり方に問題がある。
人はそんな簡単に騙せないから、まず自分をうまく騙して精神面をコントロールしていこう。
偶然そうなった。
たまたま思いついた。
笑いの神が降りてきた。
そんな風な演出を考えよう。演技は技でなく心でやろう。
じょうずになれば、箸が転げただけで笑えるはず。
お茶の子サイサイだぜ!お茶だけにっ!
(これはTOMIの持ちネタだからパクらないでねっ!)