キャラクターとは、性格、人格の事です。
パフォーマーにとって一番大事な要素はキャラクターです。
どんな人が何をするのか。
どんな人が何をしゃべるのか。
どんな人が何を着るのか。
どんな人がどう動くのか。
どんな人が何を感じさせるのか。
パフォーマンスは結局は人である。という話は今度にして、今回はその人、舞台やストリートに立っている表舞台に居る状態のパフォーマーのキャラクターの作り方です。キャラクターがしっかり作られていない状態で舞台に立つのは、戦場に武器も防具も持たずに赴くようなものです。
キャラクターには大きく分けて二種類の作り方があります。
1.自身の性格に近いキャラクター
2.自身の性格とは全く異なるキャラクター
1は自分自身に近いので演じやすいです。何も考えなくてもキャラクターの元は自分なので、あまりブレずにキャラクターを演じることが出来ます。
2は演技力が必須で、様々なシーンにおいてそのキャラクターだったらどのように動くのか事前シュミレーションが必須になってきます。2が断然難しく、応用力に乏しくなるため断然おすすめは1です。ということで、「自身の性格に近いキャラクター」の作り方について解説します。
では、キャラクターを作るために、まずは自己分析をします。
◯△□・・・。あなたはどのタイプですか?
自己分析をしてみましょう。
今回は例として
・かっこつける
・バカ
・おもしろい
・地味
・お喋り
・真面目
6つの要素を用意しました。コレをレーダーチャートに当てはめます。
かっこつけなくはない、ちょっと賢い、そこそこおもしろい、けっこう地味。ひとよりは若干おしゃべり、真面目ではないが悪いやつじゃない。そんな感じでしょうか。
例ですから、とりあえずこうなったとします。
これを極端な形にしていきます。
出ている所は出す!引っ込んでいる所は引っ込める!
そして6つの要素も誇張した言葉に変えます。
どうでしょうか。先程のチャートよりもはっきりしたキャラクターになっていませんか?
超ナルシストで、頭は良いけど面白いことしか言わない。存在感ゼロのくせにめっちゃ喋るんです。ぶつぶつおもしろい事を言うんですかね。ボロボロの服装なのに「俺イケてるぜ!」とか言っているんでしょうか。
なかなかそんな人は居ないと思いますが、この極端なレーダーチャートの元になっているのはその前のチャートの元になっている一般的な人でした。
自分の持っている要素を分析して、それを誇張してキャラクターをつくると穴のない、ブレのないキャラクターが出来上がります。そしてキャラクターが芯のあるしっかりしたものであれば一流のパフォーマーです。自分の性格に流されるのではなく、意図的に誇張し表現していく、外に向けたパフォーマーとしての立ち方は、絶対的にゆるがないキャラクターがあって成り立ちます。
今回は6つの要素でしたが、例えば私、TOMIとしてのキャラクターは
子どもっぽい。子ども好き。女の子好き。いたずら好き。自慢したがり。自分のことをよく喋る。
イケメンじゃない。かっこいいよりかわいいが好き。褒められると喜ぶ。すぐ調子にのる。
なれなれしい。えらそう。いじめっ子でいじめられっ子。年功序列。年上のヤンキーが怖い。
目が細い。手が大きい。人にやさしい。お金ほしい。勢いで生きている。むちゃくちゃな人生。
そんな感じです。これらがすべて私冨永哲に当てはまるというのではなく、冨永哲の人格の中にあるものの中でわかりやすいものを列挙し、それをTOMIのショーの中で誇張して表現します。それが演じやすいキャラクターで、ブレがないからです。
冨永哲に無い性格をTOMIに入れる事もあります。
「几帳面」とか「キレやすい」とか。その時々で入れたり入れなかったり。ショーが面白くなればいいのです。そういった自分に無い要素ばかりで構成すると演じる事は難しいのですが、基盤が自分であれば多少の脚色は全然余裕です!
自己分析をして、あなたにしかできないあなたを作ってください。
人は皆、長所もあれば短所もあります。ですが、パフォーマーにとっては
「長所は長所、短所も長所!」
です。人より秀でている部分はもっと伸ばしてください。
人より劣っている部分はもっと劣っているように見せてください。
そうすればあなたの持っている全ての要素が輝き、喜ばれるでしょう。
隠したい部分もあるかもしれませんが、多くの要素をさらけ出し、誇張し、表現していくとキャラクターが際立ち、より楽しみやすいパフォーマンスになると思います。